聞きなれない「ル・レクチェ」は洋梨の一種。
収穫後、40日間ほど追熟(ついじゅく)をすることで、糖度が一気に上がり、芳醇な香りと滑らかな舌触りが特徴です。日本では新潟県の限られた農地でのみ栽培され、完成までに多くの手間暇がかかることから、幻の洋梨と称されています。
吹上一家は佐渡ヶ島で19代続く老舗の農家で、ル・レクチェを栽培したのは今から25年前。
土作りにこだわり、質感や温度を細かく調整しながら緻密な果肉作りを行っています。また味を決めると言われる追熟は毎日1つ 1 つの色や香りを確認しながら調整し、最適な味わいを引き出しています。
新潟 佐渡ケ島「幻の熟成洋梨 ル・レクチェ」


カカオロール 洋梨ル・レクチェ
ホワイトチョコレートとアールグレイを練り込みしっとりと焼き上げたロールケーキに、和三盆を使用した甘さ控え目の生クリームと、フレッシュなル・レクチェの果肉を贅沢に入れました。
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リッチ生チョコエクレア 洋梨ル・レクチェ
芳醇な香りと味わいのル・レクチェをほろ苦い自家製キャラメルと合わせた、大人な味わいのエクレア。シュー生地の中はミルクチョコレートのガナッシュ、キャラメルクリームに、キャラメリゼしたル・レクチェの果肉をサンドしました。
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生チョコプリン 洋梨ル・レクチェ
ル・レクチェの滑らかな舌触りと上品な甘味を主役にした生チョコプリン。甘さ控えめのホワイトチョコとキャラメルのプリンの上に、ル・レクチェの果肉感あるソースを注ぎました。
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洋梨ル・レクチェのプレート ペアリング付き
鎌倉の銀行跡地、金庫室の中にあるカカオのガストロノミーレストラン「ROBB」にて、1 日 8 皿限定でご提供します。 「幻の洋梨、ル・レクチェの魅力を五感で味わう」をコンセプトに、見た目が本物の果実そっくりな一品。 ナイフを入れると中にはレモンとバニラを加えたホワイトチョコレートの華やかなムース、奥にはフレッシュ なル・レクチェの果肉が贅沢に入ったジュレが隠れています。 ル・レクチェの芳醇な香りを引き立てるオリジナルカクテル(ノンアルコールカクテルもご用意)と合わせて。 ※CHOCOLATE BANK 内「ROBB」で 1 日 8 皿限定でご提供。
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TRAVELOGUE
秋の味覚の1つ、「梨」。
夏の終わりから10月にかけて収穫される梨が手元に美味しく届いたのは11月も終わりかけた肌寒い日冬の日のこと。
日本でも限られた産地でしか育たないフランス生まれの洋梨「ル・レクチェ」
収穫されてから、なんと40日以上をかけ追熟された黄色の果実は、手間暇をかけただけの高貴な香りと芳醇な味わいを含んでいました。病気や天候にも左右されながらも無事収穫した後は追熟と、完成までに多くの手間暇がかかることから、「幻の洋梨」と称されています。
今回の旅行記では、「ル・レクチェ」に出会ってから皆さまにお届けするまでの、ながーい物語をお伝えします。

今回の旅のもう一人の主役、ショコラティエの津村が新潟の佐渡島で「ル・レクチェ」を育てる吹上親子に出会ったのは、暑い夏のこと。
「これまでと同じように。いやそれ以上に。今だけ、ここだけの深い味わいを楽しんで欲しい」
その一心でチョコレート開発を重ねる津村にとって、商品に使う素材は命そのもの。
新潟に素晴らしいものづくりをされている農家さんたちがいる。一度訪れて見てきて欲しい。
石原にそう託された津村は、初めて1人で、素材探しの旅に出かけたのでした。

吹上一家は佐渡ヶ島で19代続く老舗の農家で、ル・レクチェを栽培したのは今から25年前。
まだル・レクチェが市場に広がる前から、この果実の魅力と可能性に惚れ込み、試行錯誤を繰り返しながら栽培に取り組んできました。
果実がうまく育たない、形がいびつ、色が均一に出ない、追熟が進まない・・・多くの失敗を重ねながらも愛情を持ってル・レクチェと向き合ってきたのです。
「”ひと”と”ひと”を繋げる果物をつくり続けたい」
その想いは25年前から変わらず、毎日我が子のように、ル・レクチェの様子を観察します。収穫後は専用のフィルムで覆い追熟をかけます。呼吸穴があるフィルムを使用しながらも二酸化炭素が溜まってしまうと実がダメになってしまうため、観察には細心の注意が必要です。
さらに気温によっても追熟の進み方が変わるル・レクチェは、食べ頃を見極めるのが至難の技。早すぎると特有のとろける甘さを十分に味わえず、遅すぎると実が柔らかくなりすぎて崩れてしまう。
お客様へどのようにお渡しすれば一番美味しい状態でお届けできるのか。。
考え抜いた結果、一つ一つの配送ダンボールに「食べ頃予定日」を手書きで記載することに。これは、ル・レクチェの数を絞って丹精に育てる吹上親子だからこそできる、独自の取り組みでした。
「苦労がかかる分、熟すまで育てられた時の喜びは大きいんだよ。お客様には最高に甘い状態で”ル・レクチェ”を楽しんでもらいたい」
生き生きと語る吹上親子に出会い、溢れる愛情を感じずにはいられませんでした。
そうして2人の熱量に心を奪われた津村は吹上さんのル・レクチェを使って最高のチョコレートを作るのだと、意気込んで鎌倉に戻ったのです。

石原と津村をはじめとする一行は、「ル・レクチェ」を求めに旬とされる11月下旬よりも1ヶ月半早く農園へ。この時はまだ残暑がしっかりと残る10月でした。
日本海の波に揺られ、夕日を横目にフェリーで向かった先は新潟の孤島佐渡。降り立った直後、一行の目に入ったのは寒暖両系の豊富な木々たち。総面積の40%を山林で占める大自然のこの地で、幻の洋梨「ル・レクチェ」は栽培されるのです。
「久しぶり、よく来たね」
笑顔で迎える吹上親子。この日の天気は快晴!収穫に最適な陽気です。
農園の木々一面に吊り下がる青く丸々とした”ル・レクチェ”
地面は綺麗に整えられ、一面には新しく撒かれた籾殻が敷き詰められています。

「んんん甘い!」
津村は収穫直後の青々とした”ル・レクチェ”にかぶり付きました。
「まだまだ実は硬いし、甘さはないよ、食べるものじゃない」
吹上親子はそう笑いますが、追熟前にもかかわらず、かぶり付かずにはいられないほどのずっしり重たく美味しそうな果実。そして捥ぎ取る瞬間、フローラルな香りがあたり一面に広がります。
甘さの秘訣は、土に力をつけること。それに必要なのが朝晩の温度差。佐渡は本島に比べて雪が振りにくく、土は冷たくなりすぎずにル・レクチェ栽培に最適な温度を保てるのだそう。
そして、味を決めるとされる追熟。吹上親子は毎日1つ1つの色や香りを確認しながら調整し、果樹の呼吸に合わせた換気を徹底する。そうして育てられた”ル・レクチェ”は、糖度17度のトロける甘さ。繊細な土づくりから毎日観察を怠らない吹上親子の努力の賜物です。

“ル・レクチェ”の特徴は何と言っても梨とは思えないほどの”滑らかな口どけ”
数ある果物と比べても、クリームに合わせた時の舌触りは格別です。そしてもう一つ、口の中に広がる”芳醇な香り”。
コロンビア産の香り高いチョコレートと合わせても負けずとも劣らないほど。まさに、津村が探し求めていた極上の素材でした。
「洋梨とチョコレート、想像もつかないなあ。ル・レクチェの新しい可能性が広がるね」
親子のこの言葉を胸に、石原と津村は ”滑らかさ” を最大に活かした、プリン、エクレア、ロールケーキを作り上げました。
40日間の熟成期間を経ていよいよ。吹上親子によって手間暇かけられ、最上に甘く仕上げられた実を、芳醇な香りとともに皆様の元へお届けします。
今までに食べたことのない驚きを。今だけ、ここだけ、熟成された奥深い秋の味覚を召し上がれ。
