お店を閉め、全社員が3週間の旅に出るこの夏休みは、ブランドの信念、思想を体現する大きなチャレンジでもあります。
第二弾はバレンタインに向けて素材探しの旅に出かけた北海道。肥沃な大地、山々から流れ落ちる水と風、過酷な天候の中で力強く育つ道産の素材の魅力を発見してきました。
札幌、帯広、富良野、十勝、余市、小樽と走行距離は実に1000km以上!
それぞれの土地によって異なる自然環境、モノづくりのこだわりに触れ、これからの開発がますます楽しみになる旅となりました。
最初に訪れたのはなんと十勝の小麦農園。一見チョコレートとなんの関係が!?と思われるかもしれませんが、「CHOCOLATE BANK」の看板商品、チョコクロワッサンやカカオブリオッシュには小麦が沢山使われています!土地の持つ力を生かし、完全無農薬・オーガニックの小麦、ライ麦栽培に取り組む農家さんに出会いました。
一般的な小麦に比べて自然栽培の小麦は穂が短く、背も少し低め。中の実を剥いて取り出すと、その香りとみずみずしさにびっくり!
このまま麦チョコにしても美味しそう・・・自然栽培の大変さもありながら、加工においても酸化しないよう低温でゆっくり石臼にかけるなど、美味しさと安全性へのこだわりが詰まった農家さんでした。
次に訪れたのは富良野のメロン農家さん。実はバレンタインに向けてチャレンジしたい素材なのです!
でもメロンは水分量が多く、ウリ科独特の香りが引き立つために加工する難易度がとにかく高い素材。そこをどうにか挑戦して、最高のチョコレートが作れないかと、石原が楽しみにしている素材でもあります。
富良野のメロンは果肉が固く、香りも夕張メロンに比べて少ない。味わい以上に、チョコと合わせるときには香りが大事な中でなかなか難しいスタートとなりました。タネを蒔いてから4ヶ月で玉ができるほど、成長の早い「野菜」のメロン。それでも美味しく育てるのは至難の技で、冬には氷点下15度から20度にも至る富良野では朝晩の寒暖差、雪、山からの冷たい風と日々向き合いながら、自然の中でのモノづくりをしていました。
そんな中出会った「キングメルティ」という品種。少し歪に縦長で玉は小さく、薄い黄色のような変わった見た目のメロンは実はここ富良野で最初に育てられた品種とも言われています。富良野の赤玉メロンを超える栽培の難しさに、今はもう1〜2農家さんしか育てていない希少品種。香ってみると、メロンだけどメロンじゃない、アロマのような香りがふわっと広がります。
「これなら、いけるかもしれない」
生産は安定しないし、量も少ない。種が出回らないため、いつなくなってしまうかもわからない。それでも石原が興味を持ったこの「キングメルティ」でメロンの生チョコに挑戦をします。ザ・職人肌の”旦那”と呼ばれる農家のお父さん、最初は「美味しいものには混ぜ物は必要ない、メロンの加工品は絶対にうまくできない」と、帰ってくれと言わんばかりでしたが最後には「うまいもの作って俺のところに持って来い、食べて美味しかったら協力する」と言ってくれました。
もう何十年もメロン栽培をしているのに、「毎年1年生だよ。自然は一つとして同じものはないからね。」と語る旦那に、メロンづくりへのこだわりと愛情を感じました。メロンの生チョコ、登場するのか・・・!? 楽しみにしていてください!
他にもラズベリーとブルーベリーの農園にも。でも20あまりしか農園が存在しないラズベリーは、国産は1%という超希少な果実。とにかく繊細で、栽培にも収穫も全てが手作業。手間暇がかかる分、摘みたてのラズベリーのあまずっぱさは格別!
ブルーベリーは水はけが良く、日中には陽の光をたっぷり浴びられる斜面で育てられていました。正直歩いて降りるのもやっとの急斜面。でも除草剤は一切使わずに手で雑草を処理し、冬には胸まで降り積もる雪を越冬し、1粒1粒、青黒くなった今!というタイミングで手摘みされるブルーベリーは甘く、酸が少し効いて、チョコレートとの相性はバッチリ。こちらもお楽しみに!
そして忘れてはならないのが北海道ならではの酪農。オリジナルのクーベルチュールを作るMAISON CACAOにとって、生乳は切っても切り離せない存在。さらには生チョコに使用する生クリームもより探求したいといくつかの牧場を巡り、生乳の勉強もしてきました。
最後には余市のワイナリーにも。海外に来たような一面の葡萄畑の光景は圧巻で、醸造者さんよりブドウづくり、ワイン造りのこだわりを沢山、教えていただきました。
「この大地への圧倒的な信頼と、圧倒的な愛情でワインを作る。良い葡萄ほど、醸造家の介入を最小限にしたい。」
信念の通り、大地の味を感じる爽やかだけど力強い白、概念が変わるほどの味わいのロゼは
生チョコはもちろん、カカオのフルコースレストラン【ROBB】でマリアージュとして登場する予定です。
盛りだくさんだった北海道旅。たくさんの方に出会い、想いに触れ、改めて最高のチョコレートで多くの方の日常を豊かにできたら、そんな創業時の思いを再確認する時間となりました。
次は社員の夏休みの様子をご紹介します!