
私たちメゾンカカオは、ブランド発祥の地・鎌倉の海浜公園に、本格的なバスケットボールパークをオープンしました。
本事業は、企業・個人から予定している寄付をもとに整備されたもので、子どもたちが安心してスポーツに親しめる環境づくりを目的としています。
カカオの故郷コロンビアの地で、10年以上ずっと続けてきた子どもたちへの支援活動。学校を建て、スポーツやアートを通じて未来を育んできたその強い想いを、今度は私たちが大切に育ててもらったこの鎌倉の街へと繋ぎます。

メゾンカカオは、チョコレートブランドです。
けれど私たちが目指しているのは、お菓子を届けることだけではありません。
コロンビアのカカオ農園を訪ねる中で、私たちはカカオの美味しさだけでなく、その土地に生きる人々の暮らしや、子どもたちの未来にも触れてきました。
カカオが育つ場所は、時に厳しい現実とも隣り合わせです。だからこそ、本物のものづくりを続けるためには、カカオだけを見ていては見落としてしまうものがある。そこで暮らす人たちが、安心して学び、夢を描き、未来を選べること。それもまた、ものづくりの大切なひとつだと考えるようになりました。

コロンビアでは、学校をつくり、教育の場を支え、子どもたちと向き合ってきました。
そして今では、柔道の活動も続いています。
礼に始まり、礼に終わる。
相手を敬い、自分と向き合い、挑戦すること。
スポーツを通じて、子どもたちは体を動かすだけでなく、生きる力や人との関わり方を学んでいます。
毎年コロンビアを訪れるたびに、子どもたちは夢を話してくれます。
その夢は、年ごとに少しずつ変わっていきます。
自分たちの育てたカカオが世界へ届いていることを知り、未来への選択肢が増えていく。
その表情の変化こそが、私たちがコロンビアで向き合ってきたことの答えでした。

そして今、鎌倉でも同じことを始めようとしています。
鎌倉は、メゾンカカオが生まれた街です。
この街に受け入れていただき、育てていただいたブランドとして、
この土地に、次の世代に、何を残せるだろうか。
鎌倉では、子どもたちが思い切り遊び、体を動かせる場所が少なくなっています。
大人が使う場所はあっても、低学年の子どもたちが安心して集まり、自分たちの場所だと感じられる場所は多くありません。
だから私たちは、鎌倉にバスケットボールパークをつくることにしました。

けれど、私たちがつくりたかったのは、ただの一面のコートではありません。
子どもたちが夢中になって遊び、仲間と出会い、時には悔しさや挑戦を重ねながら、たくさんの思い出を刻んでいける場所。
「ここは自分たちの場所だ」と誇れる場所。
そんな場を、鎌倉に残したかったのです。
もちろん、子どもたちに場所を渡して終わりではありません。
子どもたちが自由に挑戦できるのは、見えないところで大人が安全を守り、整え、支え続けているからです。
コートの整備も、地域との対話も、安全への責任も。
子どもたちにはただ夢中になってほしい。
私たちは目立たないところから、この場所を支え続けていきます。

考えてみれば、それはチョコレートづくりと同じです。
お客様が一粒のチョコレートを口にする瞬間。
その背景には、コロンビアの豊かな自然、カカオを育てる生産者、素材と向き合う職人、そしてその物語を届けるプレゼンターがいます。
目に見えないところで、たくさんの手間と時間が重ねられている。
だからこそ、最後の一瞬に幸せが生まれる。
子どもたちが笑顔で走り回る景色も、きっと同じです。
目に見えないところで誰かが手をかけ続けることで、目の前の誰かが自由に、幸せに過ごすことができる。
それが、メゾンカカオの変わらないものづくりです。

100年後、このバスケットボールパークが残っているかどうかは、私たちには分かりません。
でも、ここで遊んだ子どもたちが大人になり、「あの場所を残したい」と思ってくれたなら。
その子どもたちが、また次の世代へこの場所を渡してくれたなら。
その時、この場所は初めて文化になっていくのだと思います。
文化は、つくろうと決めた瞬間に生まれるものではありません。
何年も、何十年も、いろいろな人が関わり、受け継がれ、後の世代がそれを大切なものだと思ってくれた時に、初めて文化と呼ばれるものになる。
だから私たちにできることは、今日も、明日も、目の前の人と、次の世代に誠実に向き合い、できうる限りを尽くすこと。
チョコレートでも、コロンビアでも、鎌倉でも。
私たちがやっていることは、根っこでは同じです。
私たちがつくりたかったのは、一面のコートではなく、この場所を起点に育っていく文化です。
