2020年4月1日をもってca ca oはMAISON CACAOに生まれ変わり、社名もMAISON CACAOに変更しました。コロンビアの農園でカカオを栽培し、現地の学校建設にも携わる。世界ブランドを目指し、海外での出店も控える私たちですが、原点は古都鎌倉。今ではチョコレート業界で注目をいただくMAISON CACAOですが、今日に到るまでのストーリーをご紹介します。
MAISON CACAOの前身であるca ca oが誕生したのは2015年、鎌倉の小町通りの店舗が一号店でした。当時は、小町通りといえば和菓子中心の食べ歩きの通りという認識が大きく、「上品なチョコレートなんてこの街では流行らない」と言われることも。
それでも代表の石原には鎌倉の地で創業することに、大きなこだわりがありました。もともと鎌倉の歴史は深く、特に鎌倉時代から江戸時代にかけて日本史の中では重要な役割をはたす文化都市の側面も持ちます。日本を代表する文化都市には京都、奈良が挙げられますがその中でも鎌倉は武士の街。新旧が入り混じり、歴史を大切にしながらも新たなチャレンジやイノベーションが生まれています。”チョコレートを通して、日本の新たな文化を創りたい。” そんな想いとともに創業したからこそ、武士のチャレンジ精神を持って、変化し続ける文化都市、鎌倉を創業の地に選びました。そうして日本には根付いていない、「チョコレートだけではないカカオの魅力を日常的に楽しむ」新しい文化の創造という信念を胸にca ca oは鎌倉で誕生したのです。
強い想いを持ってブランドを育む石原ですが、”チョコレート”の事業を始めたのは実は、偶然の出会いから。石原はそれまでチョコレートの甘さによって偏頭痛を起こすほど、実はチョコレートが世界で一番嫌いなスイーツだったというから驚きです。そんななか、ある出来事をきっかけに運命は動き出します。石原が世界を旅する中で巡りあったコロンビアのカカオ農園。コロンビアは世界的にも珍しい、カカオを栽培しながらも、国内消費量が多い国でもあります。そこで体験したこと、触れた風景が石原を大きく揺さぶったのです。
街中がチョコレートの甘い香りに包まれ、カカオを収穫するトラクターの横で、街の人たちがチョコレートドリンクを片手に立ち話をしている。まだまだ物質的に豊かな国ではありませんが、カカオを通して生産者と生活者が繋がり、精神的に豊かに見えた農園風景が石原に大きな衝撃を与えました。そしてコロンビアで食べたカカオ果実の美味しさもまた石原を魅了したのです。
チョコレート嫌いだった自分が新しく知ったこのカカオと、その周りで生まれる豊かな日常の風景。コロンビアでは、人々の笑顔と共に花や食事そしてチョコレートが街の生活に溶け込み、人々を幸せにしている。その文化は今の日本にはまだないけれど、新たな幸せ、価値を提供できるかもしれない。目指していた文化創造が、カカオでできる!そう確信した瞬間でした。当時、リクルートで様々なプロジェクトに参画し、マッチングビジネスを担当していたなか、どこかでマッチングの限界やもっと直接的にカスタマーに価値提供がしたい、永く愛される”ビジネス”ではなく”文化”を作りたい、そう感じていた石原を大きく突き動かしたのです。
その後もカカオ農園を巡りましたが、原風景でもあるコロンビアで育つカカオの品質が一番高いと感じ、コロンビアのカカオを使ったチョコレートブランドの立ち上げを決意したのでした。
最後にブランド名の由来を。
ブランドを通してコロンビアの生産者も、日本のお客様も永く幸せで豊かな関係を作りたいというサスティナビリティへのこだわりから、ブランド名を原料名でもある「ca ca o」と名付け、2015年にスタートしました。そして2020年4月に「MAISON CACAO」へとブランド名を変更。「MAISON(メゾン)」は「家」「家族」を意味しています。私たちにとってMAISONとは、社員やスタッフはもちろん、お客さまやパートナー、コロンビアのカカオ農家など、私たちを取り巻く全ての人を指します。このブランドを通して、MAISON(家族)の輪が広がり、幸せの輪が広がっていく。そんな場でありたいと思っています。私たちの「ブランド」と「家族」のあり方を名前に込め、新たな挑戦はまだ始まったばかりです。