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MAISON CACAOが大切にする 「Farm to Customer」から生まれる循環

美味しさへのあくなき探究心

「Bean to Bar」。最近ではよく耳にするようになったこの言葉、みなさんも一度は聞いたことがあると思います。各国から加工されたカカオ豆を仕入れて、豆から板チョコまでを自社工房で作る手法を意味し、アメリカから世界に広がった、クラフトチョコレートのスタイルです。

一方、MAISON CACAOは「Farm to Customer」というスタイルをとっています。コロンビアの農園でカカオの豆を植えて栽培するところから私たちのチョコレート作りは始まります。カカオは植えてからカカオポッドと呼ばれる果実が実るまで3~5年かかり収穫までに長い年月を要します。私たちはカカオ豆の生産から始まり、発酵、乾燥、ロースト、そして液状のチョコレートを製造する上での最終段階であるコンチング(精錬)と続くチョコレートの製造過程をコロンビアの地で行なっています。そしてコロンビアで作った原料としてのチョコレート(クーベルチュールと呼びます)を日本に運び、鎌倉でアロマ生チョコレートを製造します。農園からお客様に届くまでの工程に関与し、責任を持って行うのがMAISON CACAOの最大の強みでもあるのです。

このように、農園から携わることは決して簡単ではありません。それでもMAISON CACAOは創業以来、このスタイルをぶらすことなく行なっています。それは美味しさへのあくなき探究と、サスティナビリティへのこだわりから。
ただ単にカカオを生産するのではなく、コロンビアのカカオ農家で生活する人々と永く続く関係性や未来をどう築いていくか。その考えがあるからこそ、農園での栽培、小規模な農家さんとのコミュニティ、より良質なカカオを生み出すための勉強会や援助など、様々な取り組みを現地のパートナーと共に実行しています。これらを行うことで変化幅の大きいカカオ栽培を安定化することに繋がると同時に、本来私たちが大事にしているカカオ農園との持続的な関係を築くことにもなります。


チョコレートに触れる人々の人生を豊かにする

カカオ農園でのカカオ作りに加え、MAISON CACAOでは現地パートナーの協力をえて、農園の近くに学校を建設し、今まで教育を受けられなかった子供たちの教育環境を作ることに取り組みました。初年度は生徒数50名弱でしたが、わずか3年で500名以上に増加。2019年11月にはより多くの子供たちが授業を受けられるよう、新たな校舎を増築しました。
この学校に通うのは、5歳~17歳の子供たち。文字の読み書きから始まり、生活に必要な知識を学ぶローカル題材、道徳・倫理、将来の就業に向けた専門技術や知識(農業、製造、マネジメントetc.)を学んでいます。石原が訪問する際には必ず生徒とカカオ農家を営む親が参加する授業を開催。想いを込めて両親が作ったカカオが日本でどのようにお客様に楽しまれているのか、カカオの魅力と可能性を伝えています。

教育への投資はCSRではなく、カカオの品質向上とサスティナビリティには欠かせないという想いから始まっています。カカオ農家で働く親が安心して子供たちを預けられる場所があること、子供たちが自由に未来を選択できる環境を作ること、その上でカカオの魅力や可能性を感じてもらい、カカオ農家と永く深い関係性を作ること。

MAISON CACAOがブランドを育む上でとても大切にしている想い、それが「Farm to Customer」に込められています。

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