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MAISON CACAOとコロンビアのつながり

-メゾンカカオ(石原紳伍)ってコロンビアで色々やってるみたいだけど、本当のところ、どんなことをしているの?-

NEWS23で 「”ある犯罪”減らすチョコレート」 として取り上げていただいてからそんなお声をよくいただくようになりました。
確かに、地球の反対側でやっていること、直接見たり聞いたりができない分わかりづらいですよね。
SDGsに取り組もう!と思って始めたものでもなければ、
「シンプルにチョコレートの美味しさで買っていただきたい。」という代表の石原紳伍の想いもあり
今までほとんどお伝えしてこなかったので当然といえば当然。
本当にやってるの・・・??なんて思う方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?笑
そこで、メゾンカカオとコロンビアの関係について、ありのままにお伝えできればと思い、この記事を書いています。
今やっていること、今後やりたいことなどご紹介しますのでぜひのぞいてみて下さい〜!

メゾンカカオは信頼できるコロンビアの現地パートナーと共に、カカオの栽培、クーベルチュールの製造、そしてチョコレート屋からは少しイメージがつかないような現地の教育活動に取り組んでいます。
深く取り組みができているのは100年続くブランドを目指し、コロンビア100%にこだわっていること、現地パートナーに加えてコロンビア政府のサポートがあってこそ。本当に感謝しています。

現在はコロンビア北部、ネコクリと呼ばれるエリアに農園があり、そこでカカオ豆を栽培したり、そのカカオを使用したクーベルチュールを作っています。
ちなみにこのネコクリ、日本から20時間以上かけて到着するコロンビアの首都ボゴタからさらに飛行機を乗り継ぎ、車で3時間ほどの場所。。驚くほど遠いです。笑
着く頃には体力ゲージはほぼ0。。。

そんな遠い場所に管理農園を持ったきっかけは現地のこと、カカオのことをもっともっと知りたかったから。
どんな人たちが、どんな環境で、そしてどんな想いでカカオの栽培をしてくれているのか。
ただ豆やチョコレートを輸入するのではなく、自分たち自身が知ることで想いを共有できるし、よりよくできるかもしれない。
都心近くの綺麗な農園ではなく、遠い田舎の農園にしたのも実態をちゃんと知りたい、少しづつでもよくしていけたら、そんな思いからでした。

到着したネコクリは、コロンビアの中でも貧困や暴力の傷跡がまだ残る場所。
決して整備された場所ではなく、村長さんが遠くを指差しながら麻薬の農園のことを教えてくれたり
お金になりづらくカカオ農園の後継がいないこと勉強がまともにはできずに未来を見いだせていない子供達のことも教えてくれました。

カカオの農業のことはもっと知りたい。
でもカカオという産業は一家、一世代で守り作り上げられるものではありません。
100年後も美味しいカカオをコロンビアの人たちが幸せに作り続けるためには。
真のバートナーとして、今自分たちがやるべきことは。
そうして農園活動だけでなく、教育への取り組みが始まりました。

まずはカカオ農家の子供たちが安心して通える学校を。
最初は青空学校から始まり、ボゴタ市内から先生を呼んで授業をすることからスタートしました。
子供だけでなく、農家の人たちも、もっと生産性の高いカカオ栽培や品質を上げるための学びができたらとパートナー同士で協力をしながら農家向けの授業も開催しました。

着工から長い年月をかけて、2019年にはやっとしっかりとした校舎が完成し、気づけば生徒数も50名程度だったのが、片道1時間かけて通う生徒も増えて500名規模に。
新校舎完成時には街をおこしてのパーティーを開催し、生徒代表の女の子のスピーチには石原も涙・・・
本当に地道な取り組みが1つ花咲いた瞬間でした。

今は2つ目の校舎と校庭に着工中で、その後にはネコクリに限らず他のエリアも含めて、学校での授業内容に注力したいと思っています。

もっと自由でクリエイティブで、未来がワクワクするような授業を。
音楽を取り入れて生徒が好きな楽器を演奏できるようにしたり、日本らしい教育を取り入れてみたり、アートの授業で生徒が書いた絵を生チョコの箱にしても楽しいかも・・・!?
ゆくゆくは交換留学もできたらと思っています。

農園ではカカオの栽培から加工までを行なっています。
日本の農業と一緒で天候や疫病など自然の影響を受けて大変なこともある一方で、カカオから携われることは本当に発見が多い!
チョコレートの美味しさはカカオの品質はもちろんのこと、乾燥、発酵、ロースト、調合と多くの工程を経るからこそ、複雑に影響を受けます。
特に発酵と調合はインパクトが大きく、発酵の仕方を変えたらどう変化するんだろう?
調合でカカオマスとカカオバターの割合、使用する砂糖の種類や量、乳の種類など少しの単位でも変えてみるとみるみる味わいが変化して、カカオとチョコレートの奥深さを実感しました。

今ご提供している、カカオバターやカカオビネガーなど珍しい素材たちもカカオの農園から携わるからこそ発見できたことでした。

現在は管理農園のカカオを使用していますが、年間の使用量には足りないので、現地の契約農家さんのカカオも沢山使っています。
コロンビアに行く際にはネコクリはもちろんのこと、契約農家さんにも会いに行って、どんな風にモノづくりをしているのかを教えてもらっています。

今後はより、発酵による味わいの違いを探求するために違うエリアにもう少し大きな農園をレンタルし、そこでもメゾンカカオ専用のカカオを作っていきます。
大きな発酵所と研究施設がすぐ近くにあるので、より科学的なカカオ栽培や加工にチャレンジしていきます。(カカオ豆は鮮度が大事なので近くにあることがとても大切)
こうしてカカオ農園が増え、コロンビアの国の課題でもある麻薬栽培が少なくなっていったら、そう願っています。

石原紳伍が初めてコロンビアのカカオ農園を訪れ、カカオの苗を受けた時に言ってもらった「これで君も家族だ」という言葉。
コロンビアの家族(メゾン)とともに、100年続く文化をつくれるよう、今後も地道に少しづつ、コロンビアでの取り組みを深めていきます。

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